『なんで?カメラ』自作キット・プログラム公開のお知らせ
子どもの「なんで?」には、イノベーションを起こしたり、好奇心や探究心、問題を解決する推論を育む力があります。
なんで?プロジェクトでは、これまでワークショップを通じて、「なんで?」に性急に答えを出すよりも、多様な視点から「なんで?」を広げ、深めていくことに価値があることを発見しました。
子どもが発した一つの「なんで?」に対し、その写真を見たグループの子どもたちが、
自分の視点で「なんで?」を書き加えていくことで、また新しい「なんで?」が生まれていきます。
「答え」よりも「問い」を楽しめるようにしたい。
そのためには、まず子どもがどんなことに「なんで?」と感じているのかを知る必要があります。
子ども3才頃からが発する「なんで?」には、大人が知らない間に持ってしまった固定概念やモノの見方を、ぐらつかせたり覆したりする力があります。
ハーバード大学の児童心理学者、ポール・ハリス氏の研究では、子どもは2歳から5歳までのあいだに、およそ4万の質問をする調査結果を発表しています。
しかし大人が子どもに付きっきりで「なんで?」を記録することはできません。
そこで、子どもが「なんで?」と感じたときに、すぐに記録し、そのデータを親が共有できるプロダクト開発に着手しました。
それが「なんで?カメラ」です。
オープンソースとして公開
子どもが一人でも撮影でき、そのデータを保護者に送信する機能を備え、保護者も「なんで?」を共有できます。シンプルな操作で撮影とデータ送信ができることを設計思想とし、開発パートナーであるDMM.make AKIBAの設計により、3Dプリンタ用の設計図と電子回路の接続図、ラズベリーパイのプログラムが完成しました。
「なんで?カメラ」は完成品での提供は行いません。
コードや筐体を3Dプリンタで製造する設計図をオープンソースとして提供し、開発プロセスも公開。これによりプログラミングに興味のある子どもであれば、自ら『なんで?カメラ』を使った新しい機能を開発したり、造形に興味のある子どもであれば、現状とは異なるデザインのカメラをつくることができます。
なんで?カメラに込めた想い
今回、「なんで?カメラ」を設計・製造するにあたり、私たちはモノづくりにおける様々なトレードオフや意思決定の必要に迫られました。
「こういうものをつくりたい。でも、コレとアレが制約になって、A案を採りたいがB案を採らざるを得ない」
といったことがたくさん起こります。
しかしこの経験は、現在の状況・条件から目標を達成するための思考と試行の格好の訓練になります。なんで?カメラの公開キットには、こうしたモノづくりにおける考え方、優先順位のつけ方、トレードオフ、意思決定なども追体験できるようにしました。また、企業は自社のソリューションと『「なんで?カメラ」」をかけ合わせた新しいサービス開発も可能となります。
「なんで?プロジェクト」では、今後、なんで?カメラで撮影した写真データを投稿して、他の子どもや大人が投稿された「なんで?」に対し、異なる視点で「なんで?」を書き加えることで、「なんで?」が育ち、広がり、他の「なんで?」とくっついて、また新しい「なんで?」が生まれるコミュニティを構築していきます。
また、『なんで?カメラ』や自作キットを使って、世の中にさらなる「なんで?」を問いかける仲間(企業・団体等)を募集しています。プロジェクトでは今後、「メールを使った家族向けサービス」「機能拡張を目的としたラズベリーパイのプログラミング講座」などの展開を予定しています。
キットの情報や、プロジェクトへの参加方法など、詳細はお問い合わせください。
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